タニカの物語
電気器具メーカーとして船出
タニカの歴史は、創業者の谷口文雄が技研陶器製作所を創業した1950(昭和25)年にさかのぼります。そこにはベンチャースピリットともいうべき彼の先見性と挑戦心が宿っていました。
当初は、地元岐阜県東濃エリアに根付く製陶業向けのサンドペーパーを製造販売していましたが、1955(昭和30)年、陶器に電気ヒーターを内蔵した湯沸かしポットを考案。意匠性と利便性の両立という着眼点が市場に受け入れられ、電気器具メーカーとしての第1歩を踏み出すこととなります。1962(昭和37)年には旧名古屋通産局(現在の中部経済産業局)の電気製品製造事業登録第1号の認定を受けました。アイデアマンだった文雄はその後、日本初の家庭用酒燗器「カンペット」を販売。日本酒を簡単にお燗できる「カンペット」は大ヒットとなり、現在にいたる確かな経営基盤を築きました。
ヨーグルティアは1971年生まれ
陶器製電気ポットや家庭用酒燗器の発明によって得た「中温度帯域を一定に保つ」コア技術は、以降の商品開発にも生かされ、自動ゆで卵器、ミルク沸かしポット、コンタクトレンズ用の煮沸消毒器などのオリジナル商品を次々に発売。高度経済成長も追い風となって順調に業績を伸ばし、1972(昭和47)年には社名をタニカ電器株式会社に変更しました。
現在の主軸商品である「ヨーグルトメーカー」が誕生したのは、1971(昭和46)年です。大阪万博のブルガリア館でヨーグルトが初めて日本に紹介された直後のことで、当時はなかなか理解が進まず、市場形成までに長い年月を要しました。また、他の商品も時代の移り変わりとともに販売規模が縮小していき、1990年代は文雄の高齢化も重なって、業績の停滞を余儀なくされます。1995(平成7)年6月にはタニカ電器株式会社の販売部門を分社化しました。
訪れた転機をチャンスに
事業戦略の見直しが急務になるなか、2000年代に入り、文雄の長女である幸子が事業を引き継ぎました。そこへ、1つの転機が訪れます。健康志向の高まりを背景とした、自家製カスピ海ヨーグルトのブームです。幸子はブームを捉えて、カスピ海ヨーグルト専用ヨーグルトメーカー「カスピメーカー」を発売したところ、需要が急増しました。幸子の長男である雄史の入社後、世界初温度調節機能搭載ヨーグルトメーカー「ヨーグルティア」を発売し、販路拡大に注力するようになり、2008(平成20)年、業界に先駆けて自社オンラインショップを開設。そして、お客様の声を丁寧に吸い上げながらさらなる商品改良に努めたことで、「ヨーグルティア」は、発酵調味料づくりや低温調理もできるシェアNo.1のヨーグルトメーカーへと進化を遂げたのです。
他方、幸子は女性経営者の視点で従業員のワークライフバランス推進に着手。仕事と家庭を両立しながら個々の能力を発揮できる制度や仕組み、組織風土の醸成に努めました。
愛され続ける発酵食ブランドへ
2004(平成16)年にタニカ電器販売株式会社の社長に就任した雄史は「モノ消費からコト消費へ」という社会的ニーズの変化を受け、新たな取り組みをスタートさせました。
「ヨーグルティア」を販売して終わりではなく、その先にある発酵食ライフの楽しさ、豊かさを体験できるコンテンツや周辺商品をご提案していこうというものです。たとえばオリジナルレシピサイトを立ち上げたり、ヨーグルティアとの相性を追求した米麹や、発酵調味料などが手軽に作れるキットを発売したり。社員主体でアイデアを出しながら、取り組みを拡大しています。
食品製造許可を取り、
食品製造事業をスタート
2025年に食品製造許可を取り食品製造事業をスタート。
2026(令和8)年9月には企業ブランドを「タニカ電器」から「Tanica(タニカ)」に変更し、ロゴなども刷新しました。私たちが目指すのは、より多くのお客様とつながり、タニカの商品、サービス、情報で毎日においしさと健康と笑顔を届けること。そして、発酵食文化を未来へ受け継ぐ一助になりたいと考えています。